キャッシングの歴史

Historyと書かれた本

人間が生きていくうえで欠かせないのがお金です。キャッシングとはつまり、お金の貸し借りを意味するもので、人間生活を支えるためにキャッシングが果たしてきた役割は大きいといえるでしょう。そこで今回は、キャッシングというものが法律上や形態として、どのように移り変わってきたのか、その歴史をひもとくことで、お金を貸す・借りるという行為について、真剣に考えてみたいと思います。

鎌倉時代から存在したお金の貸し借り

お金の貸し借りという習慣自体、古くは鎌倉時代から存在したといわれます。つまり、これからもずっとキャッシングの歴史は続いていくでしょう。昔の日本人はどんなかたちでお金を借りたり、貸したりしていたのか、ちょっと古い話になりますが、質屋の歴史から見ていきましょう。

質屋という文化

日本には、昔から質屋という文化が存在しました。この起源は意外と古く、鎌倉時代までさかのぼります。みなさんもご存じのように、着物や茶道具、漆器、親の形見からご先祖代々の家宝まで、金目になりそうなものを預け、お金を借りる仕組みが質屋です。時代劇ドラマなどでも頻繁に登場するので、利用したことがなくても日本人にとってはなじみ深いものです。

現在のキャッシングとは趣が異なりますが、お金を借りる行為であることには違いありません。ただ、消費者金融でも銀行でも、現在のキャッシングは担保の必要がありませんので、今の時代のほうがお金は借りやすくなっているかもしれませんね。

消費者金融の始まり

キャッシングの主体といえば、消費者金融。個人を相手にした金融業者がはじめて誕生したのが、1960年代といわれます。日本が高度経済成長を迎えていた時代です。

無担保・保証人なしでお金が借りられる」という今までにないスタイルの貸金業が誕生し、質屋文化から本格的なキャッシング文化に切り替わった転機といえます。「団地金融」「勤め人信用」などの言葉とともに、個人向け金融は徐々に浸透していきます。しかし、誕生したてのこの頃はまだ、広く一般人が利用するようなことはなく、一流企業の会社員や、富裕層といわれた団地住まい向けのサービスとして定着しました。

バブル絶頂期の陰で暗躍するキャッシング

戦後復興を成し遂げ、経済も右肩上がりにどんどん成長するにつれ、国民の生活も豊かになっていきます。それと同時に、お金を借りる層も次第に拡大し、キャッシング業者が乱立する時代へと突入します。業者間の競争が激しくなると、悪質な業者も続出し、いわゆるサラリーマン金融(サラ金)とよばれ、強引な勧誘、高金利での貸付け、乱暴な取り立てなどが横行、キャッシングにまつわるトラブルや事件も多発するようになります。

サラ金が社会問題と化したのは、悪質な業者ばかりが原因ではありません。そんな業者を生み出した背景には、上限金利109.5%という、現在では考えられない無茶な金利で貸付けが行えたという法律上の問題があります。そんな暴利でお金を借り人はたちまち借金地獄に陥り、自殺や一家心中などの悲劇を引き起こしました。

その後、1983年になって上限金利が73.0%に引き下げられます。これに伴い、多くの消費者金融が廃業に追い込まれましたが、それでも高金利であることには間違いなく、借金に苦しむ家庭は後をたちませんでした。バブル絶頂の好景気に沸いた影で、キャッシングに泣いた人たちも大勢いたのです。

バブル崩壊後のキャッシング

1990年代に入ってバブルが崩壊、多くの企業や有名な銀行が倒産、または破綻する事態となり、長い不景気の低迷時代を迎えます。庶民の生活は苦しくなり、お金を借りなければ生活できない人も当然のごとく増えていきました

消費者金融のテレビCMが解禁され、ゴールデンタイムで盛んに流れ出したのもこの時期です。サラ金のダーティなイメージを払拭すべく、各業者はCMや自動契約機を利用してのイメージアップと顧客拡大に努めます。

段階的に金利は引き下げられていったとはいえ、1990年代はまだまだ高金利の時代でした。当時はまだ40%近くの高金利で貸し出す業者がたくさんいて、毎月の利息返済だけでも大変でした。ようやく2000年代に入って最高金利が29.2%まで引き下げられるのです。

貸金業法の改正

最高金利が29.2%まで引き下げられたことで、新たなる問題となったのが、グレーゾーン金利です。利息制限法では、最高利率を20%と定めています。しかし、先述の通り、出資法では上限金利が29.2%に設定されているため、多くの業者は出資法の上限金利をたてに高金利でお金を貸し付けていました。

このグレーゾーン金利を是正するために、2006年に貸金業法が改正され、正式に上限金利が20%と定められました。無理な借入で生活が破綻することのないよう、キャッシング審査も厳しいものとなり、ヤミ金とよばれる悪徳業者がはびこらないキャッシング利用の環境が形成されました。

キャッシングの誕生時に比べ、お金を貸す、または借りる環境はだいぶ改善されたといえます。このような歴史があることを踏まえ、キャッシングを利用していきたいですね。