サラ金とは個人に対して無担保で融資を行う金融機関のことを指します。
しかしサラ金と聞くと怪しいイメージを抱く方も多いのではないでしょうか?
一昔前のサラ金は金利が高く、過払い金問題など社会問題にもなったので悪いイメージがついてしまいました。そこで最近では消費者金融と呼び方を変えて、様々なイメージアップ戦略をはかっているのです。
この記事ではサラ金とは何なのか、またサラ金は安全なのかどうかを解説していきます。
目次
サラ金と消費者金融は違う?
冒頭で説明した通り、サラ金とは消費者金の昔の呼び名です。
消費者金融といえば、テレビCMでおなじみのプロミスやアコム、アイフルなどのお金を貸す業者が有名ですね。
90年代まではサラ金という呼び方が世間一般的でしたが、サラ金のせいで多重債務者や破産に追い込まれる人が続出するなど、サラ金が大きな社会問題になってしまいました。
そのためサラ金=悪というイメージがついてしまい、どんどん客が離れていくことになってしまいました。
そこで現在では消費者金融という新しい呼び方を広めて、イメージの向上に努めているのです。またサラ金から消費者金融へと呼び方を変えたあたりから、法律の遵守や顧客サービスの向上など経営スタイルも大きく変わっていきました。
サラ金の起こした社会問題について
ここからはサラ金と呼ばれていた時代の、社会問題について紹介していきます。2010年に貸金業法が改正されるまでは違法な貸付も多く、破産に追い込まれる人も多く存在していました。
グレーゾーン金利とは?
グレーゾーン金利とは2010年の貸金業法導入以前に、大手消費者金融が設定していた違法な金利のことを指します。
当時のキャッシング業界では、「利息制限法」と「出資法」という金利を制限する二つの法律がありました。
利息制限法では上限金利20%、出資法では上限金利が29.2%と定められていたのです。
しかし出資法をオーバーした場合には刑事罰則が定められていたのに対し、利息制限法は違反しても罰則が規定されていませんでした。
そのため多くのサラ金では、利息制限法を守らずに罰則のない違法な金利で貸し付けを行っていたのです。
しかし高い金利で貸付が行われた結果、多くの多重債務者を生み、破産に追い込まれる人が続出しました。その結果、国会でも問題となり貸金業法が大きく見直されることになりました。
違法な取り立てを行う業者も
サラ金時代にはグレーゾーン金利だけでなく、違法な取り立ても社会問題となりました。
たとえば今では大手消費者金融となったアイフルも、決められた時間外での違法な取り立てによって被害者の会が結成されたこともありました。
その結果、アイフルは行政からも指導を受け、営業停止処分やテレビCMの自粛など、一気に経営を悪化させる結果となりました。
アイフルはその後、事業再生ADRを利用し、銀行から多額の融資を受けて事業を立て直すことになりました。クリーンな経営を徹底したことにより、2015年にはすべての債務を返済し無事に事業を立て直すことに成功しました。
貸金業法が改正されて以降のサラ金
貸金業法が改正されて以降、サラ金業者は一気に経営が厳しくなりました。
過去に行った違法な利息での貸し付けに対しても、過払い金の返還請求が認められるようになったからです。
その結果、当時最大手のサラ金業者であった武富士は倒産し、多くのサラ金業者が倒産まで追い込まれることになりました。
サラ金の特徴とは?
お金を借りられる業者には銀行や信販会社などもありますが、消費者金融であるサラ金にはどのような特徴があるでしょうか?
一つは、借入の手続きが簡単で、お金をすぐに借りられることです。
しかも、無担保、無保証で借金をすることができます。
その代わり、金利が高く、取り立てが厳しいと言われた時代もありました。
しかし現在では、賃金業者の貸付金利は、利息制限法の上限金利を超える部分は無効となり、年率20%を超える契約をすると法律違反となります。
そのため、サラ金で借入をする場合は、借入限度額が100万円未満の場合は18%、100万円以上の場合で15.0%が上限金利となっています。
さらに、取り立てに関しても、サラ金による悪質な取り立ては賃金業法によって禁止され、悪質な取り立てがあった場合はそのサラ金は処分の対象になります。
しかし法律で色々と決められていても、中には法律を全く守らずに違法な融資を行う闇金業者もたくさんあります。
そこでここからは悪質な闇金を見極めるコツを紹介していきます。
悪徳サラ金を避けるポイント
悪徳なサラ金でお金を借りていては、いつまでたっても負担額が減らない、完済できない、といったことが考えられます。
そういった事態を避けるためにも、悪徳サラ金は避けることが必要です。
知名度のない会社には注意
知名度は非常に重要なポイントです。
名前を聞いたことのないサラ金は利用しない方がいいでしょう。
中には、有名な銀行や消費者金融の名前と似せている業者もあるので、よく確認しましょう。
登録番号をチェック
貸金業は国や都道府県に貸金業として登録する義務があります。
悪徳サラ金の場合は、登録していないか、番号を偽証していることもありますので、怪しいと感じたら、財務局や都道府県の賃金担当課に問い合わせてみるといいでしょう。
連絡先が携帯番号だけ
固定番号を公開していない業者は法律違反です。
携帯番号だけ、住所が記載されていない、といった業者は疑った方がいいでしょう。
金利が低すぎる
金利が1~2%などあり得ない数字を記載していたり、そういって勧誘してきたりするサラ金は悪徳とみて間違いないでしょう。
電話で勧誘する
電話をかけてきて、低金利、他の消費者金融で断られてもOK、すぐにでも借入できる、などと甘い言葉をかけてくる業者には注意が必要です。
正規の貸金業者であれば、いきなり電話をかけてきて営業してくるなんてことはありません。申し込みをしていないにも関わらず電話がかかってきた時点で闇金の可能性は高いのでご注意ください。
悪徳サラ金に関わると余計に大変になる
悪徳と言われるサラ金は、低金利やすぐにでもお金を貸すなど、甘い言葉をかけてきます。
しかし、低金利なのは最初の1ヵ月だけだったり、すぐにお金を貸してくれても金利が高かったりして、現在よりも苦しくなるのは目に見えています。
決して悪徳と思われるサラ金には関わらないようにしましょう。
自分だけで判断できない時には、必ず家族や他の人に相談することが大切です。
サラ金と銀行カードローンの違いとは?
サラ金は貸金業者、銀行カードローンは銀行が運営する無担保融資サービスです。
顧客に無担保で融資を行う点では両者似たようなサービスですが、サービスの特徴や適用される法律は異なるので、様々な点で違いがあります。
ここからはサラ金と銀行カードローンの大きな違いを説明していきます。
サラ金は金利が高い
主要なサラ金業者の上限金利は年率18.0%程度となっていますが、銀行カードローンはサラ金と比べて3~5%低くなっています。
そのため基本的にはサラ金を利用するより、銀行カードローンを利用した方が利息はお得になります。
しかし大手のサラ金では初めて利用する方は、一定期間無利息となる無利息期間サービスも行っています。
そのため短期融資であれば大手サラ金を利用した方がお得になるケースもあるのです。
銀行カードローンはなぜ低金利なの?
サラ金と銀行カードローンの金利差の原因は、資金の調達方法にあります。
サラ金は銀行から融資を受けてお金を貸すため、銀行に支払う利息分も顧客に課さなくてはいけません。
しかし銀行が自分で資金を調達することができるので、低金利で融資を行うことができるのです。
また会社の性格上、銀行はリスクのある顧客への融資を嫌がります。優良顧客にしか融資を行わないため、金利を低くしても採算が取れるのです。
サラ金は審査に通りやすい
前述のようにサラ金は銀行カードローンより金利が高いため、審査にも通りやすくなっています。
金利が高ければその分リスクの高い顧客にも融資を行うことができるからです。
そのため銀行カードローンの審査に落ちた人でも、サラ金であれば融資を受けることができるケースも多いのです。
確実に融資を受けたいのであれば、サラ金を利用するのも賢い選択です。
適用される法律が異なる
サラ金は貸金業法で規制されていますが、銀行は銀行法を基に運営されています。
適用される法律が異なるので、融資の際のルールにも大きな違いがあります。
たとえば貸金業法では総量規制が設けられており、年収の1/3を超える貸付は禁止されています。そのためサラ金からは年収の1/3以上借りることはできません。
一方銀行カードローンは、貸金業法によって規制されないため、総量規制にも対象外となります。そのため返済能力が認められさえすれば、総量規制を超える貸付も可能なのです。
しかし最近では銀行カードローンの貸付残高が爆発的に伸びており、過剰貸付が問題視されつつあります。
将来的には銀行カードローンでも、総量規制と同じように貸付限度額を制限する法律が作られるかもしれません。