グレーゾーン金利について

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怪しい金融マン

現在ではテレビやラジオのCMでさかんに言われている「過払い金の請求」があります。
払い過ぎたお金を取り戻しましょう、という魅力的なものですが、これにはグレーゾーン金利が大きく関わってきます。
グレーゾーン金利とはどのようなものか、正しく理解しましょう。

グレーゾーンには2つの法律が関係している

お金の貸し借りに関する法律には、「出資法」と「利息制限法」の2つがあります。実は、利息の上限を設定する法律が2つあることが、グレーゾーン金利を生み出すそもそもの原因でした。

法律が改正されるまでの上限金利の仕組みは、利息制限法では上限金利20%と定め、出資法では29.2%まで金利を課すことが許されていました。法律に「29.2%までの金利でお金を貸してもいい」と明記されていますので、たとえ利息制限法で定めた上限金利を上回る金利で貸し付けても、違法にはなりません。つまり、利息制限法で定めた上限金利と出資法で決められた上限金利(20%~29.2%)までの金利は、黒に近いグレー部分ということで、グレーゾーン金利とよばれていたのです。

グレーゾーン金利に関係する出資法とは?

出資法とは、出資の受入れ、預り金および金利等の取締りに関する法律です。
出資法では、(平成22年6月17日まで)元本の金額にかかわらず、29.2%を超える金利での貸し出しを禁止していました。

これにより、平成22年6月17日までは29.2%を超える金利で貸出をしない限りは、処罰の対象とならなかったのです。
グレーゾーン金利とは、利息制限法の上限金利と、出資法の上限金利の間の金利のことです。

利息制限法には触れているけれど、出資法には触れていないということで、処罰はなく、多くの賃金業者がこのグレーゾーン金利で貸出をしていたのです。

現在では、改正法によって、出資法の上限金利が利息制限法と同じ水準になっています。
違反した場合は、営業停止処分、5年以上の懲役または1,000万円以下の罰金という処罰が科せられます。

いつからあった?

グレーゾーン金利は、利息制限法と出資法の齟齬から生まれた問題ですので、2つの法律が誕生したのと同時に生まれたといっていいかもしれません。利息制限法と出資法が誕生したのが1954年5月ですから、消費者金融業者が誕生する前から顕在していた問題といえるでしょう。

撤廃された背景

高金利で貸し付ければ、お金を貸すほうは利益が増大して儲かりますが、お金を借りる側からすれば、苦しい借金地獄が待っているだけです。そのため、高金利で貸付けられた個人やその家族が苦しみ、自殺や一家心中にまで発展するケースも少なくありませんでした

1990年代以降になると、バブルが崩壊して不況の時代に突入します。会社のリストラや失業で職を失う人も増え、お金に困る生活者も後を絶ちませんでした。お金に困れば、消費者金融などでお金を借りて何とかしのぐことになりますが、高金利で貸し付けられるため、借金を返すための借金を繰り返す自転車操業で乗り切り、多重債務に苦しむ人が急増したのもこの時代でした。

無理な取り立てや暴利で自殺や一家心中に追い込まれる人が増え、社会問題となったことで、グレーゾーン金利の廃止を訴える機運が高まります。そこで2006年の6月に利息制限法と出資法の改正が行われ、上限金利が20%に統一されました。事実上、この法改正により、グレーゾーン金利は廃止され、どんな業者もお金を貸すときは、金利は最高で20%までということになったのです。

グレーゾーンがなくなってどうなった?

悪徳業者がはびこるキャッシング業界を是正するために、法改正が行われ、グレーゾーン金利も撤廃されました。それだけでなく、総量規制とよばれる新たなルールも誕生し、無理な貸付けから利用者の生活を守る仕組みが生まれました。

総量規制とは?

総量規制とは、消費者金融や信販系業者がお金を貸し付ける際に守るべきルールのことです。これらの業者がキャッシングやカードローンなどで個人にお金を貸す場合、以下の条件を守る必要があります。

  • 収入の3分の1を超える金額を貸し付けてはならない
  • 専業主婦がお金を借りる場合、夫の同意を得ること

総量規制は、低収入の人が無造作にお金を借りて生活が破綻することのないよう、一定の歯止めをかけるためのルールといえます。収入に応じた貸付条件を設定することで、節度ある貸付けや借入の環境形成に効果があります。

ちなみに、総量規制は消費者金融や信販系業者を対象とした法律ですので、銀行のカードローンには適用されません。そのため、銀行カードローンには収入に関係なく、お金が借りられますが、その分審査も厳しいといわれます。収入がなければ、そう簡単に高額融資は期待できないでしょう。

身近な存在となったキャッシング

グレーゾーンが撤廃されたことにより、悪質な業者も減り、以前と比べキャッシングの環境は大幅に改善されたといえます。近頃は、女性を対象にしたレディースローンや、個人事業者向けのビジネスフリーローンなども増えてきました。その結果、キャッシング業者はより身近になり、借りやすい雰囲気が生まれているといっていいでしょう。

しかし、その一方で、「ソフトヤミ金」とよばれる業者の問題や、債務整理を経験した利用者に高金利でお金を貸し付ける悪徳業者もまだまだ多数存在するといわれます。キャッシングを利用する際は、良質な業者をしっかり見極め、利用されない心構えも大切といえるでしょう。

払い過ぎたグレーゾーン金利を払い戻してもらう

改正法前までは、多くの人は賃金業者に言われるままにグレーゾーン金利を支払っていたため、現在の過払い金請求がブームとなっているのです。

この過払い金請求で多くの賃金業者が倒産や経営危機に追い込まれています。

過払い金請求は払い過ぎたグレーゾーン金利を払い戻してもらえるものですが、注意しなければならない点があります。

グレーゾーン金利が発生しない時期

2010年6月18日以降に借入した場合は、グレーゾーン金利は発生していないことがほとんどなので確認してみましょう。

過払い金請求は期限がある

グレーゾーン金利が発生していていも、過払い金請求の権利は10年という期限があります。
10年間行使しないと、時効になってしまうので注意しましょう。

すべてが戻ってくるわけではない

グレーゾーン金利が発生していて過払い金請求をしても、お金が戻ってこないことがあります。
例えば、借入先の会社が倒産してしまうと、お金は戻ってこないか、少額になってしまうでしょう。
過払い金が発生している場合は、早目に手続きをするといいでしょう。

金利などの知識は持っていた方がいい

グレーゾーン金利などは発生したのは、そういった法律を知らなかったばかりに起こったこととも言えます。
もちろん、グレーゾーン金利を利用した金融業者が悪いのですが、利用されないためには、金利について、お金を借りるということについて、また借りる業者について、よく知っておくことが必要だということが分かります。
金利などの計算は面倒で苦手、という場合でも面倒がらずに確認するようにしましょう。


また、過払い金請求などは法律事務所や行政書士事務所などに依頼するとスムーズです。
その際も、悪徳と言われていない業者を探し、信頼できるところにお願いすることが大切です。